2010年4月24日土曜日

日商、「観光立“地域”」を提唱

2010年4月24日 観光経済新聞を抜粋編集    

日本商工会議所は、「観光立“地域”による観光立国の具体化を目指して」と題する提言をまとめ、観光庁に提出した。提言は地域の「光」(優れたもの、特色)と「個性」を生かした、新しいまちづくりと一体となった観光振興を推進することが重要と強調、その上で「観光立“地域”」を提唱。実現のため (1)まちづくりと連動した観光コンテンツづくり(2)的確な情報発信とマーケティング戦略に基づく観光競争力の強化(3)人材育成を含む観光基盤整備 ──に取り組むべきだとした。

提言は取り組むべき課題について、各商工会議所が行っている観光振興策を例に挙げ、具体的に示しているのが大きな特徴だ。

まず、観光コンテンツづくりでは視点を変える必要性を指摘。「地域づくりのイメージづくりを念頭に置き、観光客の視点に立った地域資源の再構成・再発見に取り組むべきだ」とした。具体例として、豊後高田商工会議所(大分)の「昭和の町」づくりを紹介している。

観光競争力の強化については(1)観光産業の経営改革(2)地域全体で観光客を受け入れる態勢の整備構築(3)観光情報の充実と的確な発信──が必要とし、武雄商工会議所(佐賀)の韓国語講座事業や米子商工会議所(鳥取)の観光ポータルサイトなどの事例を挙げ、方向性を示した。

出入国手続きや査証(ビザ)発給などインバウンド関連については「手続きの簡素化など早期の改善が期待される」とした。

2010年4月12日月曜日

観光庁 「嵐」を観光立国の顔に起用

2010/4/8  共同通信を抜粋編集

観光庁は8日、海外からの観光客を呼び込もうと、日本の“顔”になる初代の「観光立国ナビゲーター」に人気5人組グループ「嵐」を起用すると発表した。

桜井翔さんらメンバー3人が都内のホテルで記者会見し、桜井さんは英語、相葉雅紀さんは中国語、松本潤さんは韓国語でそれぞれ「日本でお待ちしています」「日本の良さを知ってもらいたいです」などとあいさつした。

中国や韓国など東アジアからの観光客は最大のターゲット。アジアを中心に広く活躍している「嵐」の発信力に期待して起用した。

2010年4月10日土曜日

ご当地愛ランキング、「旅行」お勧め1位は北海道、埼玉県は最下位

 ご当地愛ランキング、「旅行」お勧め1位は北海道、埼玉県は最下位

2010年4月10日 観光経済新聞を抜粋編集

じゃらんリサーチセンターが実施した都道府県民の地元への愛着度調査「ご当地愛ランキング」によると、最も多くの地元の人が「旅行にぜひ来てほしい」と思っているのは北海道で、60.6%の人が答えた。2位は沖縄県の56.3%。3位は長野県と長崎県がともに53.5%で並んだ

。最下位は埼玉県。埼玉県は「ぜひ来てほしい」がわずか5%にすぎず、先ごろ「観光立県宣言」をした県にとっても気になる調査といえそうだ。

調査は昨年12月、18歳まで最も長く住んでいる都道府県と同じ都道府県に、現在も住んでいる人を対象にインターネット上で実施した。有効回答数は約 4700人。

一方、「地元に愛着を感じているか」の質問では、「とても感じる」と答えたのは沖縄県が最も多く、65%に上った。2位は北海道(62.6%)で、以下、京都府(57.4%)、福岡県(54%)、宮城県(53.5%)と続く。最下位は埼玉県(16%)、46位は山形県(17.6%)で、ともに2割を切った。

2010年4月4日日曜日

都道府県の10年度観光予算出そろう

4月3日 観光経済新聞を抜粋編集

2010年度を前にした3月30日、都道府県の観光関連予算が一部を除いてほぼ出そろった。厳しい財政事情を反映してか、前年度比マイナスとなる自治体もあるが、どちらかといえば増加しているところが多い。中には青森県や島根県などのように40%増と大幅に増やした県もある。

北海道の予算(雇用交付金事業費含む)は前年度比18%増の約7億8千万円。北海道ならではのブランド力を高めるため「観光ブランディング事業」に取り組む。

今年12月に東北新幹線の新青森〜八戸間が開業する青森県。11年春にはデスティネーションキャンペーン(DC)も実施されるとあって、同47.4%増の約18億円と大幅にアップした。

同24%増の約7億1千万円の予算を計上したのは群馬県。来年夏実施するDCの成功を期すため、観光局内に推進室を設け、具体的な作業に着手する。

先ごろ県内の観光資源を一体的にPRする「埼玉『超(ちょ〜)』観光立県宣言」を発表した埼玉県。観光課の予算(雇用交付金事業含む)は約2億4千万円。ユニークな取り組みとして、全市町村にご当地キャラクターやご当地グルメの開発を呼びかけ、年内に「ゆるキャラ・サミット」を開く予定だ。

2月下旬に、10年度から6年間を対象とする観光振興基本計画を決めたのは愛知県。「産業としての観光の推進」などを基本方針とし、観光業の底上げを目指す。特に、東アジア(中国、台湾、韓国、香港)からの観光客を現状の3倍となる150万人を目指す。10年度全体予算は約4億7千万円となっている。

来年のNHK大河ドラマ「江〜姫たちの戦国」の舞台ともなる滋賀県。10年度予算は約3億3千万円。大河ドラマの効果で観光客は増えそうだが、広報宣伝などに使い、一層の集客を図る。

当初予算比4%減の約3億8千万円となった広島県だが、観光拠点の機能の向上と周遊ルートの確立を図るため、県内2地域に的を絞ったミニキャンペーンを新たに展開する。事業費として7200万円を計上。また、医療ツーリズムの育成などにも取り組む。

前年度比32.9%増の約5億円の予算となったのは山口県。「フェリーの旅」推進事業などを掲げる。組織再編では観光交流局を設け、局長(部長級)には総務省出身の課長補佐が就任する。

県出身の漫画家、水木しげるさん夫妻を取り上げたNHK朝の連続小説「ゲゲゲの女房」も始まり、追い風が吹く鳥取県の予算は同39.3%増の約7億5千万円。まんがにスポットを当てたユニークな事業が目立つ。

NHK大河ドラマ「龍馬伝」で注目が集まる高知県。予算は前年度比12.3%増の約14億8500万円を確保。新規事業としてジオパークの推進などに取り組む。

11年春に全線開業予定の九州新幹線鹿児島ルート(博多〜鹿児島中央)。開業すれば博多からの所要時間は約1時間20分とこれまでより1時間弱程度短縮されるだけに、「観光客の増加が期待できる」と関係者は見る。予算は同8.6%増の約19億円で、開業イベントの担当を設置する。