2008年11月26日西日本新聞を抜粋編集
江戸時代の城下町の風情を残す大分県杵築(きつき)市の新しい観光拠点となる市観光交流センター「きつき衆楽観」が2009年1月1日にオープンする。運営は民間会社が担当し、大衆演劇を前面に掲げた施設となる。1カ月程度の公演を定期的に行っていく計画。
杵築には、主に地方巡業を行う「杵築芝居」と呼ばれた伝統的な芝居座があり、明治時代に全盛を迎えた。中には、九州各地や中国・四国地方だけでなく、朝鮮半島まで巡業に出かけるなど、人気を集めた一座もあったという。
きつき衆楽観は、明治時代に杵築に建てられた劇場「衆楽観」にちなんで名付けられた。建物は、大正時代に建てられた白壁の2階建て酒蔵を全面的に改修した。延べ床面積は約700平方メートル。総事業費は約2億円。
1階に演劇の舞台となる多目的ホールや観光交流スペース、地元特産品をそろえた販売所を置く。2階には魚介類など地元食材を生かしたレストラン、地域の人たちの作品を展示できるギャラリーも設置する。
同市商工観光課の黒田幸一郎・観光係長は「(既存観光施設の)ふるさと産業館ときつき衆楽観を周遊するような新たな杵築観光を売り出していきたい」と意欲をみせている。