2010年1月23日土曜日

溝畑観光庁長官、「オール日本で観光立国」強調

溝畑観光庁長官、「オール日本で観光立国」強調
2010年1月16日 観光経済新聞を抜粋編集

 観光庁の新長官にサッカー・クラブチーム「大分トリニータ」の運営会社の前社長、溝畑宏氏が4日付で就任した。訪日外国人3千万人という新目標の設定、観光予算の倍増など、観光政策が新たな段階を迎える中、溝畑長官は、地域や国民を主役とした「オールジャパン」の推進態勢づくりを進め、各施策を「スピーディー」に実行に移すのが使命だと強調した。

 溝畑長官は4日、専門紙向けの記者会見で、「政府の成長戦略に掲げられたように、観光を日本の元気、再生のエネルギー、エンジンにしたい。それには行政、民間の垣根を越え、国民1人ひとり、地域が主体のオールジャパンの態勢が必要だ」と述べた。2年間の任期中で外客1千万人を実現することを目標に掲げたほか、国内観光についても「発展の余地はまだまだある」として地域の活性化に取り組んでいく意欲を示した。

 旧自治省の出身だが、民間での経営手腕を買われての就任。観光庁の運営姿勢では、「プレイングマネージャー(選手兼監督)の気持ちで職員とともに取り組む。ネットワーク、フットワーク、スピード感、現場主義を大事にしたい」

 取り組むべき課題には、政府の観光立国推進本部の検討テーマに沿って、(1)訪日外国人3千万人の実現に向けた施策の推進(2)省庁連携による施策の推進(3)休暇の分散化などを通じた国内観光の活性化──を挙げた。特に外客誘致では、中国をはじめとするアジアからの誘客拡大を重視した。

溝畑 宏氏(みぞはた・ひろし)
85年に旧自治省入り、北海道庁、大分県に出向した経験を持つ。大分ではサッカーのクラブチーム「大分トリニータ」の創設に携わり、2000年4月に大分フットボールクラブ取締役ゼネラルマネージャー、04年8月に社長。日韓共催の02年サッカー・ワールドカップの組織委員会実行委員も務めた。チームは 03年にJリーグの1部リーグに昇格、08年にはナビスコ杯に優勝するなど躍進した。しかし、運営会社の経営悪化で09年12月に社長を辞任。東京大学法学部卒。京都府出身。49歳。